父ナミヘイは、くも膜下から順調に回復中。　自宅で愉しく暮らしております。
洗濯物を干したり畳んだり、料理の下ごしらえをしたり。　包丁だって使えます。

先日、母がガラスで指を切ってしまい「雑巾が絞れないヮ」と言ったら
どれかしてごらん、と絞って拭いてくれ、続けて洗濯物も黙って畳みだしたので
母が「お父さん、優しいわねぇ。　わたしが怪我してるから？」と聞きますと
「もう2・3ヶ所怪我したら、もっといいアンバイになるぞ♪
ポキッ♪　ポキッ♪　ポキッ♪」　………ヲイ（*m*）

こんなに頓智の利いた会話ができるのに「ばあさん、びょういん」が読めなかったり
かと思えば、テレビのテロップや新聞をスラスラと読んで感想を述べたり。
高次機能障害、そして脳って、本当に不思議です。　流暢性失語症も。
先日は「あんたのコツはケタイなぁ」と言うので、何のことかと思ったら
訳：あんたの手は冷たいなぁ　　で御座いました。　おほほほ。

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父の中でわたしの名前は相変わらずミソで、姉はマツorママです。
同居している弟はオッサンにされてしまいました。　ぶほほ。
マツ・ミソ・オッサン………どんな子どもたちなんですかっ（*m*）
ま、そもそも名前は両親からの2つ目の贈り物（1つ目は命ネ）ですから。
何度でも命名してくれたまへ、ナミヘイ君♪　ぶほほほ♪　　さて。

父　　「オッサンは、どうした？」
母　　「オッサン？　どこのオッサン？」
父　　「オッサンはオッサンでしょ！　名前でしょ！」←プチギレ注意報発令
母　　「オッサン……？？？」
父　　「そこ（弟の部屋を指差す）にいる、あんたの子どもの名前でしょ！しっかりしてョ（呆れ顔）」

しっかりしてョって………腹筋がシヌ～～～～～！（*m*）
父は、寝坊助の弟に毎日オニギリを握ってあげるのを10年近く続けていまして。
弟は、出勤する時、駅に着くまでに歩きながら食べるのですョ。　わはは。
「今日は出勤日か？　オニギリ作ろうか？」と、父は聞きたかったのです。


この日、オッサンにされてしまった弟は出勤日でした。
オッサンのためにオニギリを作り始めた父に……

母　　「ねえねえ、わたしの名前は、知ってる？」
父　　「知ってますよぉ♪」←得意げ
母　　「なんてぇんだ♪」
父　　「あんたの名前は、オーイでしょ♪」←得意げ
母　　「えーーーーーっ！」
父　　「オーイオイ、だっけ？」←真剣
母　　「ひとみちゃん、って、名前でしょ」
父　　「そうだっけ？」

待てーい、母！　ウソを教えるんじゃアリマセンっ！
ひとみちゃんは、映画「河童のクゥと夏休み」に出てくる女の子の名前です。
父は身じろぎもせず2回も見たそうで。　アニメなんて絶対見ない人でしたのに。
見栄や理想で求めていた趣味はどうでもよくなってしまった父。　可愛いです。　愉しいです。

母も大変に可愛いので御座います。　ご陽気さんな母。
父が退院した日、家の中で「初めての2ショット」を撮ろうとしたら、コレですョ。

嬉しいのはわかるけど、なんでズイッと出てきてその顔なんだか……ぶはは！
リアルサザエさん一家なのに「フネさんではなくフネモドキ」な証拠写真ふう。

状態や性格、家族の仕事……そんなことによって、介護は実にさまざまな形になりますね。
正解もmustもない、人の数だけ形がある。　そんなふうに思います。

自宅に戻る、家族と暮らす、仲間と過ごす。　これらが父と母にとっては、一番大切なことでした。
父は、家にいるだけで表情がどんどん豊かになり、語彙が増え、造語をしまくり
笑いを振りまいては毎日できるようになることをちょっとずつ増やしています。
今週は、電話を自分でかけたり切ったりできるようになりましたよ。
母は……写真のとおりです。　愉しい以外のナニモノでもないですねぇ。　あはは。

マツ・ミソ・オッサン、オーイオイから質問。
「お父さん、自分の名前は？」　「知ってるけど教えない♪」
自分の名前を漢字できちんと書けますが「発音・振り仮名」はまだダメです。　うふふ。
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