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【軟部組織肉腫とその治療について】


よかれ……と接種した3種混合ワクチンが元となることが多い、所謂「薬害系肉腫」と言えるようです。
これについては、なんとも……。


当時は　ヒトシの猫　「あこりん」　も元気で、家には６匹。
寿実ちゃんは猫エイズキャリアで、みんな仲良く愉しくしていてほしかった。
手間もお金もかからないのはこれよ、と猫ボラさんに薦められました。
いつもお世話になっているこの病院では、3種混合ワクチンを取り扱っていません。
「危険の方が高いので」　と、説明もしてくださったのに。
猫ボラさんに　「車で連れて行くから」　と薦められ、ご好意に甘えてしまった。
どんな治療をするのかもわからない知らない病院で、打った。
決めたのは、わたしです。　すべてわたしの責任。


紡錘形状で大きくなったり小さくなったりを繰り返し、徐々に体を弱めていくこの肉腫。
いくら食べても、肉腫が栄養をもっていっちゃうんですね。　人間の癌と同じです。
腫瘍の名前を特定する短い間に、おちゃびんはどんどん痩せていきました。
これは、良性ではないだろう……と感じました。
痩せても痩せてもおねだりをし、どんどん食べてくれたおちゃびん。
「この子は、ここで生きたいんだろうな」と思いました。
断脚をすすめられたらお願いしよう。　本格的に腹をくくりました。


「これも運命」と、そのまま……も可能で、実際、そうする方も多いそうです。
一見健康に見える柔らかい体にメスを入れるのは、心が痛むことですから。
だけどわたしには、おちゃびんの運命も希望も、もっと生きることだと思えました。
おちゃびんね、話しかけると「ウン」って言う時と、プイッとする時があるんですよ。
「おちゃびん、お手手なくても愉しくいられるかなぁ」　「ウン」　「だよね」って。　うふふ。


腕を残し、できるだけの病巣を切除し、抗癌剤や放射線治療を行う…という方法もあります。
だけど、動物は治療の間じっとしていることができないので、都度麻酔をかけることになるんですね。
麻酔自体難しいものですし、小さな体に何度も麻酔の負担をかけるのは怖い。
この肉腫は同じ部位での再発が多く、治療しては手術……で、どんどん弱らせてしまうだけ。


動物自身の生きる能力・生きることにかける意欲にもよりますが
断脚は、一番安全な策であることを確信して、手術を決めました。
「万一」があることの説明もしてくださいましたが、動物にも、飼い主のお財布にも
負担をかけないように全力を尽くしてくださるこの病院を、わたしは心から信頼しています。
「こちらでダメならどこでもダメですよ。　先生と、おちゃびんの強運を、信じます。」
法事でいなかった夫に後でそれを伝えたら「そうだ！その通り！やるしか、ないよな」


どんどん食べてくれていたので、体力も健康な猫ちゃんよりあるくらいで
血液もベストの数値を叩き出しており、すぐに手術に挑めました。
おちゃびん、お疲れ！　よく頑張った！

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